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2011年06月17日

【知識】東邦大学と日本IBM 医療分野の情報分析に関する研究で協業

東邦大学と日本IBMは、医療機関におけるデータ活用の推進や患者主体の医療の質や安全性の向上を図るため、電子カルテシステムなどのテキスト情報や時系列データを、統合的かつ多角的に分析する研究において協業する。研究期間は2011年4月から12月を予定している。

この協業は、顧客とIBMの研究者が協力しながら先進的なソリューションを作り出す「First−of−a−Kind(FOAK)プログラム」の一環であり、東邦大学医療センター大森病院の医療・医学分野の豊富なノウハウとIBM東京基礎研究所のテキスト分析、プロセス・セマンティック技術を含む研究開発成果を活用して研究を行う。

現在の医療分野においては、エビデンスに基づいた医療への関心が高まっている。そのため、電子カルテシステムなどの多種多様で大量な情報ソースからデータを収集・統合・蓄積し、これらの膨大なデータを統合的かつ多角的に分析・可視化することにより、医療の質や安全性の向上を図ることが求められている。

この研究では、検査や治療などの医療サービスの内容や、検査結果や診断名といった患者情報など、患者毎にさまざまな形態で存在する大量の時系列データを対象とする。分析者の視点で柔軟に解析対象となるデータや期間を対話的に設定でき、診療プロセスやパスウェイのパターン抽出や発見を目的としたツールなどの研究開発を行う。また、診療データとしては、数値やコード化された分類データだけではなく、診療記録などのテキスト・データも含むため、それらをテキスト解析することで、より多角的な分析が可能となる。例えば、電子カルテの診療記録中には、さまざまな表現で「血圧」情報が記述されているが、テキスト解析によって最高・最低血圧などの数値データを抽出して検索や分析に利用することができる。また、手術や投薬といった連続するイベントを患者集団や疾患ごとに自在に集約・分析することで、あるグループに特有の高頻度パターンの発見や、効果的な診療プロセスの確認を支援する

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:35| 知識