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2011年04月19日

【アジア】伊藤忠商事とササクラ サウジアラビアで海水淡水化プラントのリハビリ工事を受注

伊藤忠商事とササクラは、サウジアラビア王国における現地資本との合弁会社アクアパワー・ササクラ社(正式名:Arabian Company and Sasakura for Water & Power 以下:APS)を通じて、サウジアラビア海水淡水化公団(SWCC)よりシュアイバ フェーズ1海水淡水化プラントのリハビリ工事の発注内示書を受領し受注が確定した。受注金額は49億円。

伊藤忠商事とササクラはAPSとともに、SWCCに対し海水淡水化プラントの経年による機能低下に対するリハビリ工事を提案してきた。その結果、2009年12月SWCCが実施した同プラントのリハビリ工事入札に参加し、ササクラの技術力と現地化による技術移転の実績が高く評価され、競合他社を退けて今回の受注に繋がった。

プラントのリハビリ工事を行うことにより、新規プラントの建設費の20〜30%程度のコストで、通常のプラント寿命(20〜25年)をさらに15年以上延命することが可能となる。今回のシュアイバ フェーズ1海水淡水化プラントは、1988年に三菱重工業が建設し、日産2万2千トンの装置10系列からなる多段フラッシュ(MSF)型海水淡水化プラント。今回の主な工事内容は、伝熱管その他腐食部品の取替えと蒸発器内の抽気構造の改造で、工期は3年を予定している。

サウジアラビア王国は生活用水の大部分を海水淡水化プラントに依存している。同王国における海水淡水化プラントの建設は60年代後半に始まり、80年代初めにピークを迎えった。同王国の海水淡水化能力は、今なお世界最大規模だが、近年では老朽化した装置も多数存在し、リハビリ工事が急務となっている。さらに、急激な人口増加と工業化の影響で、同王国では水需給が逼迫しており、今後も千億円規模の大型プラントのほか、地方都市における中小規模の装置の建設も計画されている。

伊藤忠商事は水ビジネスを注力分野のひとつと位置づけ取り組んでおり、特にサウジアラビア王国においては1970年代よりササクラと共に多数の海水淡水化プラントの納入を行ってきた。2000年代に入りAPSを設立し、一方で発電・造水事業にも参画、さらに2010年は海水淡水化プラント用の逆浸透膜を製造する合弁会社を設立するなど積極的な取組を展開している。今後も引続き同王国を中心とした中東地域にて計画中の新設プラント案件やリハビリ工事の受注を目指すと共に、発電・造水事業への参画などビジネス規模の拡大を目指す。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:30| アジア