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2011年03月15日

【物流】平成21年度 経営分析報告書決算版(概要)

2月末、全ト協が、平成21年度決算版経営分析報告書をまとめた。これは、全国のトラック運送事業者2,159社(有効数)の平成21年度事業報告書に基づき、集計・分析した「経営分析報告書」をまとめたものである。

売上高営業収益を見てみると、世界経済の回復基調に加え、日本経済もエコカー補助金などの政策に伴い、平成21年春頃を景気の底として回復に向かっていた。しかし、円高や企業での設備・雇用に係るコスト増が影響し回復速度は緩やかだった為、2年連続のマイナス成長となっている。こうした中、トラック運送業界では輸送量の低迷が続き、平成21年度の売上高(兼業分を含む全売上高)は、1社平均で197,033千円(前年度203,862千円 前年度比3.3%減)となった。この内、1社平均の貨物運送事業収入は195,061千円(同202,005千円 同3.4%減)となり、全売上高、貨物運送事業収入ともに4年連続で減収した。

売上高営業利益率は0.3%減(前年度比1.3%減)、貨物運送事業の営業収益営業利益率も0.4%減(同1.3%減)でともにやや改善した。営業利益は19年度以降、営業収益の減少と燃料価格の上昇から、各企業の懸命な経費削減が行われたが、3年連続で営業赤字となった。しかし、燃料価格の下落によりマイナス幅は縮小している。

売上高経常利益率は0.9%増(同0.8%減)で2年ぶりに黒字に転じた。この内、貨物運送事業の営業収益経常利益率も0.7%増(同0.8%減)となった。これは、燃料価格の低下により営業収益営業利益率が上昇したことに加え、営業外収益も増加したためである。17年度以降、4年連続で経常減益だったものの、平成21年度にようやく増益に転じた。

今回の報告書を基に全ト協は、トラック運送業界は、安全・環境対策に係るコスト増といった厳しい局面に置かれ、多くの中小事業者が事業存廃の岐路に立たされている実体が顕著になった。トラック運送事業者が厳しい経営環境の中で生き残りを図るために、コストに見合った適正運賃の収受が極めて重要な課題だと分析している。

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投稿者:gotsuat 09:45| 行政関連