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2011年02月07日

【アジア】神戸製鋼所 タイヤ・ゴム機械事業でインド進出

神戸製鋼所は、インドの建設エンジニアリング最大手で産業機械なども手掛けるラーセン・アンド・トゥブロ社(LARSEN & TOUBRO LIMITED 以下:L&T)と合弁で、タイヤ・ゴムの製造工程で使用されるゴム混練機(※1)及びゴム二軸押出機(※2)の製造販売会社を設立した。総投資額は約9億円で、2011年10月の生産開始を目指し、2月にも工場建設に着手する予定にしている。新会社名は、L&T コベルコ マシナリー(L&T KOBELCO MACHINERY PRIVATE LIMITED)。

タイヤ・ゴム機械とは、自動車や建機などのタイヤ製造工程で使用される機械の総称で、近年、新興国を中心とした自動車の生産増に伴い、需要が拡大する。例えば、主要設備の一つであるゴム混練機の世界市場は約3億2,500万ドル(出典:European Rubber Journal 2009年発表値、前年比5%増)と、市場が拡大している。神戸製鋼所は現在、国内をはじめ、米国(KOBELCO STEWART BOLLING, INC.:オハイオ州)及び中国(益陽益神機械有限公司:湖南省)においてタイヤ・ゴム機械の製造・販売を行なっており、ゴム混練機では世界シェア約50%を占める。

神戸製鋼所はL&Tを現地の戦略的パートナーとして位置づけ、2003年4月、タイヤ加硫機(※3)の製造に関する技術供与を締結するなど、良好な関係を構築してきた。L&Tはインドにおけるタイヤ加硫機のトップメーカーで、インド国内をはじめ欧州や中近東なども含めた強固な販売網を有している。新会社は、この販売網をフルに活用することで、インド、欧州、中近東、アフリカ、ロシア、東欧などへ販売していく。

今回の新会社設立により、神戸製鋼所グループのタイヤ・ゴム機械事業は日米印中の四極体制が確立することとなる。今後は、各拠点から世界同一品質の製品を供給することでユーザーのグローバル化に対応すると共に、新会社を中心にこれまで比較的販売実績の少なかったインド以西のマーケットでの拡販を実現し、世界トップシェアの地位をより確固たるものにする考え。


※1 ゴム混練機
タイヤもしくはゴム製品の製造工程の最初に設置され、原材料のゴム、カーボン、硫黄、薬品、オイルなどを混ぜ、練り込む機械。ミキサ
※2 ゴム二軸押出機
ゴム混練機の下部に設置され、混練されたゴム他の原材料の塊をシートに押し出す機械

※3 タイヤ加硫機
タイヤ製造工程の最終段階で、ドーナツ状に成型された半製品に熱と圧力を加え、原材料に含まれる硫黄を反応させることで半製品の硬度を上げ、同時にタイヤのトレッドを刻印する機械

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:30| アジア