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2010年10月26日

【アジア】産業技術総合研究所、中国科学院、明電舎が排煙脱硝触媒を共同開発

産業技術総合研究所(以下:AIST)、中国科学院過程工程研究所(以下:IPE)、明電舎は中国国内の石炭を燃料とした燃焼設備向けに広範囲の動作温度を持つ排煙脱硝触媒の共同開発を開始する。

AISTエネルギー技術研究部門は、AISTと中国科学院との包括的研究協力覚書(MOU)に基づき、中国科学院傘下のIPEとの間で、220〜420℃という広範囲の温度条件で高い性能を発揮するアンモニア脱硝触媒の基礎研究に取り組んできた。今回、性能的に目処が付いたことから、AIST、IPE,明電舎の三者で実用化を目指した共同研究を実施することとした。

中国では一次エネルギーの多くを石炭に依存しており、多数の石炭燃焼装置が稼働している。また、中国の石炭を燃料とする工業ボイラー、工業炉などの燃焼施設の排煙は250℃前後と温度が低く、中温領域で作用する既存の脱硝触媒では対応できないことが課題となっていた。より低温で硫黄と水蒸気を含む排煙に安定的な高い脱硝性能を発揮する触媒が望まれており、今回開発する脱硝触媒と脱硝装置はその要望に応えるもの。

世界でも類をみない220〜420℃という広範囲の温度領域で硫黄を含有する排煙に作用する脱硝触媒は粉末状で、明電舎がディーゼル発電用脱硝触媒装置で活用したハニカム体へ成形加工し、製品化の可能性を検討する。今後三者は研究契約を締結し、AISTはハニカム触媒の性能検証、IPEは粉末触媒の開発と実証試験によるハニカム触媒の性能及び耐久性試験、明電舎はハニカム体への成形加工技術の確立を各者で分担し、石炭排煙ガスに220〜420℃という広範囲の温度領域で作用する脱硝触媒の実用化を目指す。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 18:30| アジア