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2010年10月12日

【流通】ポーラ化成 肌の乾燥を根本的に解決する製剤を開発

ポーラ・オルビスグループのポーラ化成工業は、肌の乾燥を根本的に解決するために角層下層部に着目し、角層細胞間脂質層の平板状ラメラ構造の乱れを即座に修復可能な製剤を開発した。

冬場に多い乾燥肌改善の鍵は角層が握っている。角層は主に角層細胞と角層細胞間に存在する細胞間脂質層より構成されており、細胞間脂質層が正常に機能をしていることが重要とされる。これまでの乾燥肌対処法は、ワセリンやクリームで肌表面を覆う方法、角層上層部にセラミド等を塗布して角層の水分環境を改善する方法をとっていた。

最近の研究で乾燥肌と健常肌を比較すると、角層上層部はどちらの肌も生活環境の影響を受けやすいため乱れているが、角層下層部は乾燥肌だけが乱れていることが示唆された。よって、肌の乾燥を根本的に解決するためには、角層下層部を改善させることが重要であると考え、研究を進めた。

ポーラ化成工業は、角層下層まで速やかに浸透し、水分量に応じて角層細胞間脂質層と同様な構造を有し、平板状ラメラ構造に変化可能な「ベシクル」という構造体に着目し、これを用いて角層下層の乱れた細胞間脂質層を即座に補修することを考えた。

従来のベシクル製剤は、角層下層部の水分環境(約40%)では層状ラメラ構造にならない。そこで、2種類の天然由来脂(※)を用いることで水分環境が40%で層状ラメラ構造に変化するベシクルを開発した。このベシクルを配合したローションは、従来乾燥肌用に広く使用されてきたセラミド等を配合したクリームと比較して、より短期間でバリア機能が改善されていることがわかった。この研究内容は、ポーラ・オルビスグループの商品開発に応用される。

※ 2種類の天然由来脂質
MEL−B(Mannosylerythritollipid−B)とSE(ショ糖ラウリン酸エステル)

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通