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2010年09月02日

【流通】動画電子透かしを埋め込むことができるトランスコーダー開発

--- NHKと日立製作所が共同開発 動画ファイルデータの流出対策に貢献 ---


日本放送協会(以下:NHK)と 日立製作所は、放送映像を低解像度の動画ファイルに変換する際、画質の劣化を抑えながら識別情報を電子透かし(※1)として埋め込むことができるトランスコーダー(※2)を共同で開発した。本トランスコーダーで変換された動画ファイルは専用ソフトにより識別情報を把握できるため、データ流出対策への貢献が期待できる。

近年、放送映像を記録するメディアは、VTRテープから動画ファイルへ移行が進んでいる(ファイルベース化)。また、ホームページの作成やインターネット上での二次利用などで、高解像度の動画ファイルから、低解像度の動画ファイルに変換(トランスコード)する機会が増えている。動画ファイルは、PCなどの情報機器との親和性が高く、取り扱いが容易である一方で、データ流出に対する対策が求められている。データ流出を防ぐため、データの識別情報を画像や文字として映像に上乗せ(スーパーインポーズ)するなどの対策が行われているが、本来の映像に不要な情報を上乗せしなければならない。

こうしたことから、NHKと日立製作所は、放送映像を低解像度の動画ファイルに変換する際、画質の劣化を抑えながら識別情報を動画ファイルに埋め込むことができるトランスコーダーを開発した。日立製作所独自の電子透かし技術を導入することにより、知覚できない程度に画像を変更することで識別情報を動画ファイルに埋め込む。その情報は専用ソフトにより把握できる。

今後、NHKと日立製作所は、本トランスコーダーを活用して、映像データの効率的なセキュリティ管理を実現する放送映像のファイルベース化を進める。


※1 電子透かし
知覚できない程度の変更を画像に加えることで、映像を作成した場所や日時などの識別情報を埋め込み、その情報を検出する技術。情報の埋め込みと検出には、専用のソフトウェアが必要であり、第三者による埋め込み情報の除去、改ざんを防止する。映像データのフォーマットに関係なく、既存の再生機器をそのまま利用できるため、利用者の正規の閲覧や配布時の使い勝手に影響を与えることがない

※2 トランスコーダー
映像を入力し、フォーマット変換などを行って特定目的の映像に変換出力するシステム。主に、HDTV(高精細度テレビジョン放送)の映像を低解像度のものに変換する用途などに用いられる

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通