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2010年06月03日

【流通】理化学研究所と土木研究所、非破壊検査技術開発を目指して連携協力を開始

--- 社会基盤の長寿命化へ向けた非破壊検査技術開発を目指す  ---

理化学研究所(以下:理研)社会知創成事業イノベーション推進センター(以下:RInC)と土木研究所(以下:土研)構造物メンテナンス研究センター(以下:CAESAR)は、小型中性子イメージングシステムの研究・開発を推進し、橋梁など大型構造物の内部を非破壊で検査・解析することを目指して、「土木研究所構造物メンテナンス研究センターと理化学研究所社会知創成事業イノベーション推進センターとの小型中性子イメージングシステムの研究に関する連携協力協定」を締結した。

道路や橋などの社会基盤は、国民の安全・安心な生活を支える重要な社会基盤だが、最近では国内での損傷の発見報道のみならず、海外における大規模な落橋事故などで世間を騒がせている。現在、こういった道路や橋などの管理は、目視点検を基本としており、ひび割れなどの損傷が見つかった場合には、詳細調査により損傷の原因や重篤度に関する情報を得ている。この際、構造物内部の損傷状況を把握するために非破壊検査を活用しているが、現在の検査技術では取得できる情報に限界があるため、革新的な検査技術の開発が世界中で求められている。

理研RInCと土研CAESARは、理研を含む国内外の研究機関における中性子ラジオグラフィーに関する要素技術と理研VCADの解析技術を融合し、橋梁などの大型構造物の内部構造を検査・解析するための小型中性子イメージングシステムの研究・開発を目指し、連携協力協定を締結することとした。

この協定により、理研と土研が社会基盤の予防保全(※)という「ニーズプル型(具体的な社会的課題からの要請に基づいた研究・開発を実施することによって、課題解決に必要とされる研究成果や技術が効果的に引き出されるという考え方)」の研究・開発を始動し、研究機関で得られた研究成果を社会の知識・知見(社会知)へとつなげ、より効果的かつ円滑な研究成果の社会還元を実現できると期待される。

※ 予防保全
定期的な点検に基づき、損傷が軽微な段階から計画的に対策を行う手法
早期に問題に取り組むことにより、損傷が深刻化してから対策を行う「事後保全」と比較して、構造物の長寿命化や、ライフサイクルコストの縮減が可能と考えられている

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通