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2010年05月18日

【アジア】ダイキン工業、仏アルケマ社との合弁会社が中国で冷媒用ガス生産を開始

アルケマS.A.社(以下:アルケマ)とダイキン工業の合弁会社である「アルケマ ダイキン先端フッ素化学(常熟)有限公司」(以下:ADAF)は、中国江蘇州常熟市の工場で、空調機器用冷媒の主要構成ガスであるHFC−125の本格生産を開始した。

HFC−125は、オゾン層破壊係数ゼロであるHFC(ハイドロフルオロカーボン)混合冷媒(R404A、R407C、R410Aなど)に不可欠な原料ガスで、中国では、主に米国へ輸出する空調機器の冷媒としてHFCの需要が拡大している。その理由として、オゾン層破壊物質の規制を目的とするモントリオール議定書に基づいて、米国では2010年にHCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)の消費量を1989年比で75%の削減を達成する必要があり、空調機器の冷媒を従来のHCFC−22からHFC混合冷媒へ切り替えていることが挙げられる。また、中国国内でもインバータ技術などを搭載した省エネタイプの空調機への切り替えが進んでおり、さらに2015年からは発展途上国でのHCFC規制も始まるため、中国、東南アジアでのHFC−125の需要はいっそう増大すると考えられる。

今回のADAFの生産開始は、上述の需要増にタイムリーに応えるものであり、空調機器メーカー等への安定供給を実現する。

アルケマとダイキン工業は、日本を除くアジア・オセアニア地域での空調機器用冷媒の販売を行う会社「ダイキン アルケマ冷媒アジア有限公司」(以下:DAR)をADAFと同時期に設立している。HFC−125を含む冷媒は、DARを通じてアジア・オセアニア地域に、またダイキン工業、アルケマを通して日本、欧州、米国などグローバルに販売していく。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:30| アジア