【知識】富士フイルム、米国のがんセンターと内視鏡分野で包括共同研究契約を締結
富士フイルムは、全米有数のがん治療施設であるＦＣＣＣ（※１）と、内視鏡関連製品に関して、５年間の包括共同研究契約を締結し、共同研究を開始した。
近年、内視鏡は、組織や病変の観察だけではなく、止血・胆石摘出や早期がんなどの治療に使用される医療機器として進化している。内視鏡による手術は、開腹・開胸手術などに比べ傷跡が小さく、術後の患者の負担も少ないことから、より低侵襲な治療法として内視鏡外科分野にも応用されている。
このような中、北米では、「単孔式腹腔鏡下手術（以下：ＳＰＳ）」（※２）や「経管腔的内視鏡手術（以下：ＮＯＴＥＳ（ＴＭ））」（※３）といった次世代の低侵襲治療法に関する研究が活発に行われている。これらの治療法には、高度な技術が必要なため、より安全で使いやすい医療機器の開発が期待されている。
ＦＣＣＣは、全米有数のがん治療施設で、内視鏡および内視鏡外科分野においても優れた知見を持っている。富士フイルムは、ＦＣＣＣ との共同研究により、北米の臨床現場のニーズに合った内視鏡・処置具などの開発を強化していく。また、「ＳＰＳ」や「ＮＯＴＥＳ（ＴＭ）」などに関する医師の基礎研究活動を支援し、次世代の低侵襲治療法の実現に向けた製品開発に貢献していく。
富士フイルムは、内視鏡分野において、鼻からの挿入で苦痛の少ない「経鼻内視鏡」、小腸全域の検査を容易にした「ダブルバルーン内視鏡」等の特長ある製品を次々と開発してきた。今後も、先進・独自の技術をもって、「人々のクォリティオブライフのさらなる向上に寄与していく」という企業理念のもと、内視鏡を含むメディカルシステム事業を重点成長事業の１つとしてグローバルに展開していく。
※１ ＦＣＣＣ
Ｆｏｘ Ｃｈａｓｅ Ｃａｎｃｅｒ Ｃｅｎｔｅｒ（フォックス・チェイス・キャンサー・センター）
ペンシルバニア州（米国）にある非営利団体病院
※２ 単孔式腹腔鏡下手術（Ｓｉｎｇｌｅ Ｐｏｒｔ Ｓｕｒｇｅｒｙ）
１つの切開口から腹腔鏡を行う手技
従来の腹腔鏡手術における複数切開口を１つにすることで、より低侵襲な治療が可能と言われている
※３ 経管腔的内視鏡手術（Ｎａｔｕｒａｌ Ｏｒｉｆｉｃｅ Ｔｒａｎｓｌｕｍｅｎａｌ Ｅｎｄｏｓｃｏｐｉｃ Ｓｕｒｇｅｒｙ（ＴＭ））
内視鏡を自然孔（口・肛門・膣など）から挿入後、管腔壁を経て体腔内に到達し、体表面を切開することなく、診断・治療を行う手技。
※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です
投稿者：gotsuat 09:50| 知識
