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2010年04月21日

【知識】帝人とメンブレンテック、中国宜興市の農村集落排水処理事業で提携契約を締結

民間初の日中共同での農村集落排水処理事業
中国・宜興市との排水処理に関する提携契約締結について


帝人は、膜濾過ユニット製造を中心とした水処理事業を展開しているメンブレンテックと共同で、江蘇省宜興市の上下水道を管理運営する宜興市水務建設投資有限公司(中国・江蘇省)と「農村部の集落排水処理設備の整備事業」を推進するために提携した。中国の農村集落排水整備事業に関し、日中両国の企業同士により提携契約が締結されるのは初めて。

江蘇省宜興市は、中国五大湖の1つで、周辺都市の重要な水源である太湖沿岸部に位置している。太湖を水源とする河川流域では、中国の急激な経済発展に伴う水質汚染が大きな問題となっており、中でも農村集落排水(※1)からの汚染排水の流入がその主因とされている。このため宜興市では、中国政府が進めている農村部の環境改善の方針を受けて、宜興市水務建設投資有限公司を通じ、農村部の近代化投資の一環として農村集落排水処理施設の新設を計画している。

この提携契約に基づき、帝人の「MSABP(※2)」技術、およびメンブレンテックの「膜濾過」技術を農村集落排水処理に適した小規模設備に適用するため、宜興市水務建設投資有限公司と共に、宜興市大港村で実証実験を開始する。宜興市は2009年12月より、大港村の各家庭からの排水菅の設置を開始しており、2010年5月下旬を目処に完成する予定。帝人とメンブレンテックは処理設備の詳細設計を既に終えており、2010年6月を目処に実証試験を開始し、2010年度中の実用化合意を目指して農村集落排水処理問題の解決に取り組む。

帝人はこれを契機として、「MSABP」をはじめとする生物処理技術や、過酸化水素添加多段式オゾン処理技術のような高度処理技術など、特長ある総合排水処理ソリューションを国内外でさらに広く展開し、世界の排水再利用、省エネルギーおよびCO2削減に貢献していきたいとしている。


※1 農村集落排水
農村における生活排水。下水道よりも小規模な設備による処理が効率的とされている

※2 「MSABP」
汚泥レス・省メンテナンス・省エネ・低コストが特長の生物処理設備

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 10:04| 知識