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2009年12月22日

【流通】「CO2選択透過膜」の実用化に向けた技術開発・市場開拓を本格化

--- 住友商事 省エネルギー、低炭素社会の実現に貢献 ---

住友商事は、ルネッサンス・エナジー・リサーチ(以下:ルネサス社)が開発したCO2選択透過膜という新技術の実用化に向けた技術開発・市場開拓を、ルネッサンス・エナジー・リサーチと共同で推進する。

ルネッサンス社が開発したCO2選択透過膜は、混合気体からCO2だけを分離して透過するという特徴を持っている。水素製造工程におけるCO2の分離法として従来採用されている化学吸収法では、分離回収工程で大量のスチームを必要とするが、CO2選択透過膜ではスチーム使用量を大幅に削減でき、大きな省エネ効果を得ることができる。さらに、中空糸(ストロー)状のCO2選択透過膜を束ねてモジュール化することによって、化学吸収法よりも狭い場所で効率よくCO2の分離回収が可能。すなわち、スチーム利用減により、エネルギー消費は既存技術の約5分の1となり、かつ省スペースで設置できる。この技術は大量の水素を必要とする石油精製や化学プラントの水素製造工程に応用可能で、こうした工程は日本国内で約40カ所、海外では国内の約50倍あると言われており、大きな商機が見込める。

住友商事は、ルネッサンス社が開発したCO2選択透過膜の先進性に着目し、実用化に向けた技術開発、市場開拓を本格化する。当面は石油精製や化学プラントの水素製造工程をターゲットとして、2010年早々に日本の顧客プラントへ試作機を設置し、その評価・改良を行いながら、モジュールの大型化を進めていく予定にしている。

その他、将来のCO2排出削減の有望なツールと言われているCCS(Carbon dioxide Capture and Storage:CO2の分離、回収、貯留)のCO2分離・回収工程においても、この技術の活用が期待できる。同工程はCCS全体のコストの約6割を占めており、CO2選択透過膜のさらなる技術開発の進展により、将来的には発電所などでも大幅なコスト削減につながるとしている。

「CO2選択透過膜」は、将来有望な技術を開発段階からサポートしながら、市場の開拓を進めるもので、水素製造工程の大幅な省エネルギーを図るだけでなく、CCSといった地球温暖化対策への有効な手法としても期待できる。住友商事は持続的成長が可能な低炭素社会を目指す住友商事の環境ソリューションビジネスの戦略的方向性に一致した取り組みであり、今後も積極的に開発支援、市場開拓、事業化を進めていく。

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投稿者:gotsuat 10:02| 流通