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2009年11月09日

【流通】伊藤園とクラウン・パッケージ社 茶殻を配合した「茶殻入りパッケージ」開発

--- お茶の香りと抗菌・消臭効果がありギフトボックスなど ---

伊藤園は、クラウン・パッケージと共同で、伊藤園独自の茶殻リサイクルシステムを活用し、茶殻を紙パルプに配合した「茶殻入りパッケージ」を開発した。

「茶殻入りパッケージ」は、茶殻が表面に露出しているため、抗菌・消臭効果、お茶の香りがあり、かつ美粧性に優れている。お中元・お歳暮用の箱、ギフトボックスなどに展開することが可能であり、簡易包装が主流のこれらの用途に「茶殻入りパッケージ」の美粧性を活かすことができる。素材に使われる「茶殻入りマイクロフルート」は、板紙などに比べて薄くて軽く、丈夫な特長をもつ三層構造のマイクロフルートの、表裏両面もしくは表面の紙に茶殻を配合した茶殻の効果をもつダンボールで、伊藤園とクラウン・パッケージとの共同開発により誕生した。

「茶殻入りパッケージ」には、伊藤園の「お〜いお茶」をはじめとする日本茶飲料を製造する際に排出された茶殻を配合してる。また、茶殻を紙パルプに配合することは、紙原料の使用量を削減することにつながる。「茶殻入りパッケージ」1箱あたり「お〜いお茶」500mlペットボトル約2本分の茶殻を配合し、その分の紙原料の使用量が削減された。さらに、茶殻には植物として吸収した二酸化炭素が炭素分として固定化されている。1箱あたり約11.4g−CO2の茶殻由来の炭素分(二酸化炭素換算)が含まれており、茶殻に含まれている炭素分を製品中に固定しているという点でも環境に配慮した設計となっている

伊藤園はこうした日本茶飲料の製造過程で排出された茶殻を、水分を含んだまま有効活用(リサイクル)する独自の「茶殻リサイクルシステム」を構築し、これまでも社員の名刺のほか、畳、せっこうボード、ベンチ、ボールペンなどに有効活用してきた。今回の「茶殻入りパッケージ」を開発する際にも「茶殻リサイクルシステム」を活用している。

伊藤園では「お〜いお茶」をはじめとする日本茶飲料の売上拡大に伴い、製造過程で排出される茶殻の量も年々増加している(2008年度の排出量は約41,000トン)。そのような背景の中、「みんなで環境を考える伊藤園」という経営方針の一環として、茶殻を環境配慮型の工業製品などに有効活用する研究に取り組み、茶殻の抗菌・消臭効果を利用した製品(畳、せっこうボード、ベンチ、ボールペンなど)や紙原料削減につながる製品(名刺や紙ナプキンなど)を開発するなど、独自のリサイクル技術「茶殻リサイクルシステム」を確立している。茶殻を乾燥させることなく活用するこのシステムは、これまでに環境関連の複数の賞を受賞している。

一方、(株)クラウン・パッケージは、「環境に優しいパッケージにて社会に貢献する」という企業理念のもと、ゴミ問題解決へ向けて、古紙再生紙や植林木ペーパーを使用した人にやさしい製品を開発している。しかし、それら環境にやさしい紙製品は、他の紙製品と同様の形状・色のため市場では分かりづらく、お客様も一目でわかる、環境にやさしい新たな素材を模索してきた。伊藤園の「茶殻リサイクルシステム」のコンセプトである「お茶をお客様の身近な製品へ活用する」という考えと、両社の「地球に配慮した製品づくり」「未利用素材の有効活用」という考えが合致し、「茶殻入りパッケージ」の開発に至った。

伊藤園では、今後ともこのような身近な茶配合製品の研究開発に積極的に取り組み、普及させることで、社会において「茶殻=有用資源」という意識付けに役立てたいと考えている。

 

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投稿者:gotsuat 10:03| 流通