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2009年08月31日

【知識】東レ 中国・北京市に現地企業と水処理事業の合弁会社設立

東レと中国藍星(集団)股■有限公司(以下:藍星)は、北京市に水処理事業の合弁会社「藍星東麗膜科技(北京)有限公司」(英文社名:Toray BlueStar Membrane Co., Ltd.、以下TBMC社)を設立した。新会社の資本金は3,500万USドル(約35億円)で、180人の雇用を確保し、水処理膜製品の製造・販売および輸出入を行う。

※■印 : 人偏に「分」。

TBMC社は、東レの連結子会社として東レの水処理膜に関する最新技術を導入する一方、藍星の中国における営業ネットワークを活用することにより、中国における下廃水リサイクルや海水淡水化プラント案件向けに、世界一の品質・コスト競争力を持つ水処理膜を供給し、これによりRO膜を中心とした東レの水処理膜のグローバルなプレゼンスを一層強化していく。

東レは、水処理事業を2010年以降の収益拡大の柱とするべく、「戦略的育成事業」と位置付けて経営資源の重点投入を行っている。

一方、藍星は中国化工集団公司(ChemChina)傘下の中核的企業集団で、樹脂・特殊化学品(薬品)事業などを展開し、世界で45工場、17研究所を持ち、昨年度の売上高は400億元を越えている。そのグループ内に中国最大の水処理エンジニアリング会社を有し、中国内で廃水再利用と海水淡水化事業を積極的に展開している。

藍星がこのたび東レと共にTBMC社を設立し、生産設備を新設することは、水処理ビジネスにさらに強くコミットするもので、お客様のニーズに迅速に対応し、安定した製品供給を可能にします。

水処理膜は、分離対象物の大きさによって逆浸透(RO)膜、ナノろ過(NF)膜、限外ろ過(UF)膜、精密ろ過(MF)膜の4種類に分類される。東レは世界で唯一、自社開発により4種類全ての膜をラインナップしている膜メーカーであり、今後は世界規模で深刻な水不足も心配される中、様々な水源から様々な水質の水を作ることができる水処理膜の総合技術力が注目されている。

中国では、高い経済成長を遂げる中、工業化の進展により水の使用量が急激に増加している。また、都市部では人口増加により、水需要が急増する一方、北部では旱魃の影響などにより、水の供給不足問題が起きている。こうした需要に対応するため、水処理膜による下廃水の再利用、海水淡水化等の需要が高まっていることから、中国でのRO膜需要は年率20%以上の成長を続けており、世界中から膜メーカーが進出している。東レは、同市場が5年後には500億円に達すると推定しており、そのうち30%のシェアを目指す。東レグループは、世界的な水処理膜市場の急拡大に対応して6拠点体制(日・米・欧・中東・中国・アジア太平洋)で事業を展開するとともに、世界トップレベルの「膜およびその利用技術」をコアとして、今後も引き続き、中国のみならず中東、地中海、大洋州(オセアニア)などの地域で積極的に受注拡大を図る。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 10:04| 知識