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2009年07月07日

【流通】凸版印刷 ステレオカメラによる三次元計測システムを開発

--- 文化財などの立体形状を計測可能に ---

凸版印刷は、ステレオカメラ(※)で撮影した映像データから、対象物の立体的な形状データを計測する三次元計測システムを開発した。

凸版印刷はこれまで、仏像などの立体形状を持つ文化財を対象に、レーザーレンジスキャナなどを用いた三次元計測を行ってきた。計測されたデータは、デジタルアーカイブとして活用したり、バーチャルリアリティ(VR)やCG技術を用い、映像としての可視化を行ってきた。しかしながら、文化財は通常計測するには難しい場所に設置されていることが多く、計測そのものが難しかったり、計測するための準備に多くの時間を要することがある。

このシステムは、凸版印刷が独自に開発した画像処理技術を応用し、ステレオカメラからの映像のみを用いて、対象物の立体的な形状を計測する。従来のレーザーなどを用いる計測方式と比較して、計測装置が小型軽量であることが特長で、通常の計測装置では設置ができないような狭い場所などにおいても、形状計測を行うことが可能になる。

凸版印刷はこのシステムを用いた計測方式の有効性検証のため、東京文化財研究所(以下 東文研)と共同で、2009年1月より、東大寺法華堂安置仏像群および塑像(そぞう)四天王立像(東大寺戒壇院安置)の形状計測実証実験を行っており、2009年6月末より、2度目の形状計測実験を行った。そして今回得られたデータについて、東文研が文化財の保護などに活用できるかどうかなどを今後検証していく。

凸版印刷では、三次元計測システムを、凸版印刷が取り組むバーチャルリアリティのコンテンツ制作などにおける、安全で効率的な形状入力のためのソリューションとして活用していく予定にしている。
また、文化財のデジタルアーカイブを活用したバーチャルリアリティコンテンツの制作および公開を通じた事業を展開しており、今後もより多くの人々に高品質でリアルな映像体験を提供していくことを計画している。


(※)2つのレンズ機構を持つカメラで人間が視差によって物を立体的に認識することと同じ原理により、
対象物の映像だけでなく、対象物までの奥行きの情報も同時に記録する

 

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投稿者:gotsuat 10:03| 流通