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2009年06月02日

【流通】大林組 風揺れ・地震両用の制振装置を開発

--- 「ハイブリッドブレーキダンパー 間柱型」 超高層RC造マンションに初適用 ---


大林組は、東京工業大学の笠井和彦教授と共同で、高層RC造建築物に適した架構内制振装置「ハイブリッドブレーキダンパー 間柱型」を新たに開発し、北九州市内で建設中の超高層マンションに初適用する。

近年、建物の高さが横幅に比べて非常に高い超高層建築物が数多く建設されているが、このような非常に大きな塔状比を持つ建物は、揺れによって大きな影響を受けることから、風や地震などの様々な揺れに対応する制振装置が必要となる。これまでは、風揺れと地震の揺れを低減する制振装置を別々に組み込む方法が一般的でしたが、高コストや建築計画上の制約となることが課題となっていた。

「ハイブリッドブレーキダンパー 間柱型」は、ブレーキダンパー(※1)と粘弾性ダンパー(※2)を直列に組み合わせることにより、両ダンパーが互いに補い合って様々な揺れを大幅に低減する。風揺れのような微小な揺れや中小地震の揺れには粘弾性体が変形して揺れを低減し、大地震にはブレーキダンパーがさらに加わって揺れを吸収する。このように、2つの制振機能を1台で兼ね備えているため、建築計画上の自由度が高くなるうえ、制振システムの導入にかかる費用を最大4割低減することができる。また、保守点検等が不要なため、建物のライフサイクルコストにおいても低減可能。

大林組では、主に鉄骨造向けの制振装置「ハイブリッドブレーキダンパー ブレース型」を実用化しており、今回新たに開発した「ハイブリッドブレーキダンパー 間柱型」によって、構造形式にとらわれることなく、あらゆる建物への適用が可能となった。今後とも、制振性能が優れ、メンテナンスフリー、コストパフォーマンスの高い「ハイブリッドブレーキダンパー」の採用を積極的に提案し、建物の制振性能の向上とそれに伴う住環境改善、建物の長寿命化を通じて社会に貢献していく。


(※1):ブレーキダンパー:摩擦型ダンパーの一種で、自動車のブレーキの仕組みを応用し、プレーキ材とステンレス鋼板の摩擦によって大地震時の揺れを吸収する。

(※2):粘弾性ダンパー:バネと粘性体の性質を併せ持つ粘弾性体の抵抗によって、風・中小地震の揺れのエネルギーを吸収する。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 10:03| 流通