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2009年05月18日

【知識】ヤマハ NHKと移設可能な高遮音組立式コメントブースを共同開発

--- 新開発の業務用フリータイプの防音室 ---

ヤマハは、移設可能な防音室としては日本国内で最高の遮音性能を実現した高遮音組立式コメントブース(放送用原稿を読むスペース)を、NHK(日本放送協会)と共同開発。このたび試作品が完成し、今年4月にNHK渋谷放送センターへ第一号の事例としてコメントブースを納入した。


ヤマハは1986年から防音室『アビテックス』シリーズの発売を開始し、現在、家庭向けに楽器練習などを用途とした「ユニットシリーズ」と自由設計の「フリーシリーズ」のほか、録音スタジオ、音響実験室、カラオケルーム、地域FM局など業務用途向けオーダーメイドタイプの『AMG』シリーズをラインアップしている。

高遮音組立式コメントブースは、移設可能でかつ放送に使用する厳しい遮音基準を満たす仕様の防音室として、NHKからの依頼によって開発した。開発は2007年秋から行い、基本的な設計や構造などの技術は当社の防音室のものを用いて、NHKからは遮音性能の技術的なノウハウの提供、遮音性能実験へのNHK技術者の協力を受けた。

実際の高遮音組立式コメントブースは、遮音パネルを二重にして壁面を構成し、かつ内側と外側のパネルの間に約20cmの空間を持たせることで、非常に高い遮音性能を実現している。また遮音パネルの一部(外側パネルの内層部)に、新たに開発した複層パネル(空気層を可能な限り狭くし、振動をよりカットしやすい固定方法を採用)を採用している。高遮音組立式コメントブースの遮音性能は、遮音パネルを約20cmのコンクリート層の内側に設置したレベルに匹敵し、移設可能な防音室としては国内最高の性能を実現し、室内騒音も最低レベルを追究している。

試作品が完成したこの高遮音組立式コメントブースは、4月にNHK渋谷放送センターへ納入したほか、放送に使用する高いレベルの遮音性能をクリアしたNHK標準仕様モデルとして全国のNHK放送局や民間放送各局にも導入が期待されている。さらに、ヤマハは生産体制が整い次第、順次業務用防音室として一般に向けても販売を行っていく予定にしている。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 10:22| 知識