<< 前のエントリ合通ロジのトップページへ次のエントリ >>
2004年02月23日

【物流】JR貨物、「ITフレンズ&トレース」を主要140駅に一斉導入

日本貨物鉄道(JR貨物)は2004年1月より新しいコンテナシステム「ITフレンズ&トレース」の導入を開始している新システムはJR貨物と通運会社をインターネットで結ぶ「ITフレンズ」と、駅構内のコンテナ位置をGPS(全地球測位システム)で識別する「トレース」の二つで構成する。

@「ITフレンズ」は通運会社が荷主から受注したコンテナ個数や配達方面・日時などの
データを端末に入力するとその時点で最適なコンテナ貨車を自動予約できるシステム。

A「トレース」はITフレンズの予約データは貨物駅で荷役作業をするフォークリフトの運転
席や駅事務所の端末にも自動で伝えられ、このデータを元に荷役作業を効率化する。

これらのシステムは既に、25駅に導入されており、コンテナを取り扱う全国約140カ所の全貨物駅に情報技術(IT)システムを一斉導入、コンテナ取扱業務を効率化し、コンテナ貨車の積載率を高める狙い。

ITフレンズ導入により、各営業所では貨車予約に必要だった列車番号の把握などの専門知識が不要になり、手書きの伝票もいらなくなる。

現在は通運会社がコンテナ貨車の一定枠を事前予約で確保しておき、積み荷量に応じて実際に購入する貨車をJR貨物側と調整し、毎日午前と午後に複数の通運会社の担当者と顔をつきあわせての調整作業となっており、新システムはこの予約調整作業を省力化し、通運会社による貨車の事前予約枠も不要にできる。

JR貨物は「空荷で列車を運行するリスクを軽減でき、現在平均7割にとどまる積載率の向上に役立つ」とみている。

また、トレースでは無線ICタグ(荷札)をコンテナに通運会社のトラックにも取り付け、各駅にあるフォークリフト約550台にはICタグの読み取り機とGPSを搭載し、駅構内でリフトがコンテナをどこに運んだかの位置情報を管理できる。

リフトの運転手はこれまで通運会社のトラック運転手から集荷データを書類で受け取り、コンテナの積み下ろし作業をしコンテナの位置も実際には経験と勘に頼って探す作業となっていたが、新システムの稼働により荷役作業の時間ロスを大幅に減らす事が出来る。

JR貨物は全駅稼働で荷役作業の省力化が実現すれば、年間10億円のコスト削減が可能とみている。総投資額は50億円弱。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 10:35| 物流事業者