<< 前のエントリ合通ロジのトップページへ次のエントリ >>
2001年02月20日

【流通】「特異」な層

――― ルイ・ヴィトン 値上げ ―――

か: 「あ:」さん、バレンタインデーどうでしたか?

あ: どうでしたか? っていったって・ ・ ・
「か:」さんこそ どうなのよ?
僕なんかより一杯もらってんでしょ?

か: 当然です

あ: そ、そ、そんな はっきり言うなよ・ ・ ・

か: でも、びっくりしたのが
先日紹介した365日のバースデーテディを
何人かの人からもらったんです
どこで手に入れたのか・ ・ ・

あ: な、何人からも・ ・ ・ !

か: でも、逆に価値ないですよ
一杯もらったら・ ・ ・

あ: つまり、「ないモノ」が一杯あれば
「ないモノ」 → 「あるモノ」に変わっちゃうんだよ

か: そうですね
でも、みんな流行を追っちゃうって事を実感しました
よく考えると価格もそこそこで・ ・ ・

あ: 逆に高価なものだと
価値もあったかな?

 
『ルイ・ヴィトン 値上げ』

仏の有力ブランド「ルイ・ヴィトン」を輸入販売するルイ・ヴィトン・ジャパンは、衣料、靴を除くバッグ、皮革小物など主力商品を平均9%値上げする。円高・仏フラン安を背景に94年から3回に渡り値下げを行なってきたが、今回は円安や生産コストの上昇などから値上げを決めた。ルイ・ヴィトンの日本での売上げは昨年1000億を越えた。
 

か: そうそう
あのLuis−Vuittonが値上げなんですよね
益々手の届かないものになっていくような・・・


あ: と、言いつつもたくさん高級ブランドもの持ってるくせに!
でも逆に値段が高くて手の届かない方が
いいのかもしれないね

か: 憧れ的な存在であり続けるって事なんでしょうか?
ある限られた層のモノっていうのは
憧れの対象になりやすい!
でも、高級ブランドのカバンを買えないにしても
手にする事のできるカバンを持ったり・ ・ ・
つまりある程度の「妥協」で買っている商品もあるって事でしょ

あ: そこで大切なのが
「妥協して買った」と思わせないような
マーケティングも必要なんだよ

か: ????

あ: 例えば僕なんかお金がないけど
たま 〜 に フランス料理なんか食べに行くんだよ
ワインの事なんてさっぱりわかんない!
そこでソムリエに
自分に合った(この場合、価格)ワインを頼むと
価格の安 〜 いワインを薦めてくれた

か: それ、当たり前じゃないですか

あ: いやいや、最後まで聞いてよ!
そのワインについて話してくれたんだけど
それこそ高級なワインに使われている「ぶどう畑」の
真横の畑でできた「ぶどう」を使用しているんだって!
何か安いワインを頼んだという気後れしていた部分が
スッキリしたよ!

か: なるほどねぇ
確かにそのような層をターゲットとした商品を
対象市場として考えている企業もありますよね
日本の自動車業界でも思い付きます・ ・ ・

あ: もちろんその商品自体の品質や
消費者の好みも前提としてあるんだけど
こうした「特異」な分野での市場を
いかに獲得できるかが大切になってきていると思う

か: 逆に値下げが続いて手軽に手に入るようになったら・ ・ ・
その時は魅力的ではなくなる可能性もありますから 

あ: 日本人は「売れているもの」=「良いもの」って
思う傾向がある事については以前「や:」さんが話してたと思うけど  
流行を追ってしまう傾向があるでしょ

か: Luis−Vuittonの売上げの中でも
日本での売上げと 海外でも日本人による買い物の割合いが
高いようです

あ: 大量に出回る商品にどのような取組みを行なうべきなのか?
つまり、潜在的な消費者のニーズを
これから掘り起こしていかないといけないって事!

SCMの浸透などチェーンオペレーション化が益々進む中
商品のハードとしての価値を供給するだけでなく
その商品を手にした時の「喜び」だとか「満足感」を
高めるような流通システムを考えないとね
例えばinternetを利用して
受注生産を行なうサービスも登場しているでしょ

か: 「喜び」とか「満足感」を高めるねえ・ ・ ・
なんか恋愛と似てません?
ある時は じらしたり・ ・ ・

あ: (何を?)
商品サイクルが短くなってきた今、
これから「定番」となっていくような商品が
登場しにくくなっているでしょ
アピールとかマーケティング方法だけが広がって
文化だとかが根づかないようになってきてないかなぁ・ ・ ・  

か: 商品・サービスの人気って
その商品自体の魅力と
そうしたマーケティングや演出による部分
個人としてどちらの価値に比重を置くのか? でしょうね   

あ: いずれ消費者も今のマーケティングにない
何か「特異」な商品、そして販売方法に価値を見出したり

「マス離れ」がおこったり・ ・ ・

internetの登場でニッチ市場とか注目されてるけど
単に「少ない」とか「狭い」って言うだけじゃなくって
対象市場の「特異性」をいかにつくりだしていくか?
「特異」な層をいかに満足させていくのか?
消費者のニーズのありかたが変化し続ける今、
大切な事なんじゃないかな

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 13:16| 流通