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2008年10月10日

【流通】昭和電工、ベトナムにレアアース磁石用合金の原料製造会社を設立

ーー高性能ネオジム系磁石用合金の原料調達体制を強化ーー

昭和電工は、ベトナム社会主義共和国ハーナム省に、同社90%出資の子会社「昭和電工レアアースベトナム有限会社」(以下、新会社)を10月に設立した。新会社では、11月より生産設備の建設工事に着手し、2010年4月から高性能ネオジム系磁石合金の原料であるジジムメタル(ネオジムとプラセオジムを主成分とする合金)ならびにジスプロシウムメタル、あわせて年800トンの生産を開始する。

高性能ネオジム系磁石は自動車向けやエレクトロニクス向けに使用されており、近い将来には風力発電向けの需要拡大も予想されるなど地球環境維持関連材料として注目を集めている。これらの拡大する用途に対応して、ネオジム系磁石の高温下での磁力特性を確保するために少量添加する必要があるジスプロシウム系の希少元素の需要も増加している。世界のジスプロシウムの供給は、現状、江西省等の中国南部で産出されるイオン吸着鉱からの精製に主に頼っており、その安定調達と資源リサイクルは大きな課題となっている。
同社は、ベトナム国内外のレアアース混合原料やレアアース酸化物など複数種類の原料に対応可能な分離精製工程と、ジジムメタルやジスプロシウムメタル生産のための電解工程から構成される工場を建設し稼動させることにより、高性能ネオジム系磁石合金用主原料の安定調達を図る。新会社は、2010年に売上高20億円を目指す。

同社は、すでに同社秩父事業所ならびに中国内モンゴル自治区包頭(パオトウ)市と中国江西省■州(ガンシュウ)市の各々の生産子会社をあわせた3拠点で年間8,000トンのレアアース磁石用合金設備を有しており、今般の新会社を、原料供給の拠点として新たに加えることにより、同社の戦略事業であるレアアース事業の一層の強化を図って行く。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 10:21| 流通