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2004年08月26日

【知識】トヨタ、世界規模での最適な生産・供給体制を構築する「IMVプロジェクト」を開始

トヨタ自動車は、かねてより、世界140カ国以上の市場に導入することを前提に、新しいピックアップトラックと多目的車(IMV:Innovative International Multi−purpose Vehicle)を開発し、世界規模での最適な生産・供給体制を構築するプロジェクトを進めてきたが、8月25日、タイにおいて、IMVシリーズ第1弾となる新型ピックアップトラック「ハイラックスVIGO」を発表し、プロジェクトの第1歩を踏み出した。
IMVプロジェクトでは、21世紀の消費者が求める高いレベルの耐久性と快適性を兼ね備えた新型車として、ピックアップトラック3車型、ミニバン、スポーツ・ユーティリティ・ビークルの合計5車型を新開発。
タイ、インドネシア、南アフリカ、アルゼンチンの4カ国をIMVシリーズのグローバルな生産拠点として位置付け、アジアをはじめ、欧州、アフリカ、オセアニア、中南米、中近東の世界各国に供給する。また、主要部品についても、タイでディーゼルエンジン、インドネシアでガソリンエンジン、フィリピン、インドでマニュアルトランスミッションを生産し、各国の車両生産国に供給する。このプロジェクトは、「Made by Toyota」のコンセプトに基づき、日本以外の製造事業体を車両・部品のグローバルな生産・供給の拠点として活用する点、および上記4カ国でほぼ同時期にIMVシリーズの生産を開始する点で、従来にない画期的な取り組みと言える。
トヨタの事業活動のグローバル化は、日本での生産および輸出を中心とする第1フェーズから需要のある地域で生産する第2フェーズへと進んできた。今後、世界各地域でFTA(自由貿易協定)の整備が進む中、世界規模でのより効率的な生産・供給体制を構築することによって、世界各国のユーザーに、同時期に、より魅力的な商品を、より求めやすい価格で、提供することを目指していく。
このプロジェクトを推進していく上で、為替リスクや市場ニーズに対する柔軟な生産体制および調達手段など、グローバルロジスティクスを実現する上で必要となる情報共有がバックグランドで確立されている事が伺える。最適なサプライチェーンの構築へ向けたロジスティクス的な判断と、素早い実効性を兼ね備えたこのプロジェクトの実践は、グローバル企業にとって参考としたい取組である。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 12:12| 知識