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2004年12月13日

【知識】富士ゼロックス、アジア・パシフィック地域での国際資源循環ネットワークを構築

富士ゼロックスは、アジア・パシフィック(AP)地域の計9ヵ国・地域注1から自社回収した複写機/プリンターなどの使用済商品やカートリッジを、自社工場で鉄系、アルミ系、レンズ、ガラス、銅系など64カテゴリーに徹底的に分解・分別し再資源化する、国際資源循環ネットワーク─アジア・パシフィック統合リサイクルシステム─を構築した。
同社は「企業の社会に対する責任」(CSR)の一環として、商品リサイクル全社方針『限りなく「廃棄ゼロ」を目指し、資源の再活用を推進する』を制定し、2000年8月に日本で初めて、使用済商品の「廃棄ゼロ」を実現している。さらにグローバル企業として、AP地域の環境負荷低減に対しても責任があるという観点から、日本と同じ品質のシステムをAP域内に拡大・徹底する統合リサイクルシステムを本格稼働した。
同社が生産者責任により構築したリサイクルシステムは、EUで進められているWEEE指令(廃電気電子機器の回収・リサイクル指令)の内容をAP地域において先行実施し、先駆けとなるものである。
このシステムは、各国ごとに国内で行う処理と異なり
(1)9ヵ国・地域の協力と信頼のもとで
(2)中間処理業者に委託することなく、企業の責任において使用済商品の国境を越えた回収、分解、有害物の無害化を行い
(3)再資源化率を確実に向上させ、限りなく「廃棄ゼロ」を目指し
(4)処理費用は各国販売会社が負担する国際公平分担を行い
(5)量を確保することで生産性を高め
(6)拠点国タイにとっては、国内の「廃棄物」を削減できる(約25%→0%に)ほか、新しい産業システムを創出するきっかけとなる
などの特徴を持っている。
64カテゴリーに徹底的に分解・分別した資源は、タイ国三井物産の支援を受け、タイ国内とアジアの再資源化パートナー12社、日本国内の4社の協力により限りなく「廃棄ゼロ」 (再資源化率99.6%)を実現し、トラッキングシステムを導入する。
国を越えたアジア地域でのリサイクルフロー構築は、供給する商品毎の成分把握とその情報供給、さらには回収作業に伴う一定のルールづくりなど、言語や習慣を越えたボーダレスなリサイクル・ロジスティクスといえる。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 11:24| 知識