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2005年03月11日

【知識】沖電気、中国の生産拠点に「鉛フリーはんだ付け技能資格認定制度」を導入

沖電気工業は、製品の鉛フリー化実現に向けて、はんだ付け技能者を対象にした「鉛フリーはんだ付け技能資格認定制度」を、中国生産拠点に導入した。この制度は、従来の鉛の入ったはんだに比べ高度な技術が要求される専門性の高い鉛フリーはんだ付け技能者の資格を認定するもので、2003年12月に業界で初めて同社が国内生産拠点に導入したもの。この制度の海外生産拠点への導入は初めてで、製品の鉛フリー化に必要な専門技術に 精通したスペシャリストをグローバルに養成し、環境配慮方の技術力を強化していく。
現在、環境問題を反映し、環境配慮型の製品づくりが求められており、電子機器においては、基板に部品を実装する際に使うはんだに、欧州連合(EU)の指定する特定有害6物質のひとつである鉛が含まれており、鉛フリーはんだへの対応力強化が課題となっている。鉛フリーはんだは、これまで一般に利用されてきた鉛の入ったはんだと比べ融点が高く、高温で短時間での作業が必要となり、熱に弱い部品を破壊したり、はんだ付け不良を発生する危険性が強まるため、はんだ付け技能者には従来よりも高い技能水準が求められる。
今回この制度を導入したのは、中国におけるATM・プリンタの生産拠点である沖電気実業有限公司(以下OSZ)。OSZでは、従業員の技能向上にむけた教育に注力。また製品の鉛フリー化に伴い、一部の熱に弱い部品への対応や、故障解析・修理のために手作業による鉛フリーはんだ対応が必要となったため、この制度を導入したもの。昨年12月に日本から指導者を派遣し、7名の従業員に対して第一回目の教育と認定試験を実施し、7名全員の資格取得に成功した。今後さらにこの7名の技能向上を図り、OSZにおける鉛フリーはんだ技能者教育の指導者へ育成していく計画。
製造工程における新技術導入を資格認定制度を導入することにより環境対策と生産クオリティ向上を同時に担うロジスティクス的なアプローチといえる。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 15:42| 知識