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2005年03月16日

【知識】大日本インキ化学、ベトナムに印刷インキの生産・販売会社を設立

大日本インキ化学工業は、ベトナムにおいて印刷インキの生産・販売を行う新会社、DIC ベトナム(DIC Vietnam Ltd.)を設立した。資本金は100万USドル(約1億円)、ホーチミン市郊外にあるベトナム・シンガポール工業団地(VSIP)内に年産能力3,000トンの印刷インキ工場を建設し、今秋に稼動を開始する。
ベトナムは、政府の市場開放政策(ドイモイ)の下、安価で良質な労働力を武器に、東南アジアにおける輸出加工基地としての地位を急速に固めつつある。特に一昨年のSARS騒動以降、中国への過度の依存に対する警戒感から、日本や欧米、台湾などの企業の進出が加速している。このような状況の下、国民の生活水準も上昇しており、食料品・日用品の需要が増加し、パッケージ印刷の需要も旺盛になっている。パッケージ印刷に使用されるグラビアインキについても年率10%もの伸びを見せている。
同社は現在、ベトナム市場についてはマレーシア、シンガポールの印刷インキ生産拠点からの輸出で対応しており、グラビアインキおよびオフセットインキの両分野でマーケットリーダーとして市場を牽引している。特に種類別で市場の過半を占めるグラビアインキでは、同社は推定で約30%のシェアを有しているが、ここ数年、日本、韓国、台湾などの競合メーカーが次々と現地での生産体制を確立しつつあり、競争が一層激化している。
今回の新会社で、グラビアインキを中心とした現地生産体制を確立することにより、これまで対応が難しかった技術サービスの強化や高品質製品の投入などユーザーの要望に応えるとともに、新規開拓を進め、成長市場で確実に事業を拡大していくことを目指して設立したもの。
アジアの新興成長地域への地域密着型の生産・販売会社を設立することにより、立地的なメリットに加え、既存ノウハウを付加することによって生産量・スピード、生産コスト、クオリティなど様々な面において事業有利性を見出すことができると思われ、アジアの主要拠点への新会社設立に当たり、自社ノウハウを効率的に活かそうとするロジスティクス戦略の意図がうかがえる。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 15:14| 知識