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2005年05月25日

【流通】ローソン、生鮮食品や生活雑貨の100円ショップ「STORE100」の出店開始

――新たな業態誕生の過程――

ローソンは5月27日より、値打ち感のある商品をそろえた新業態「STORE100」の出店を開始し、8000店に達する従来の「ローソン」、健康志向の「ナチュラルローソン」とあわせて3つの店舗業態を持つことになる。複数の業態によって、地域や客層などに合わせた柔軟な店舗展開が可能になり、これまで取り込めていなかった消費層を獲得していく。
今回の新業態「STORE100」は、顧客満足のため、分かりやすいシンプルプライス、生鮮食品を含めた値打ち感のある商品などが特徴となる。
新業態「STORE100」は、ミニスーパーとコンビニエンスストアの機能を組み合わせたハイブリッド(融合)型の業態。商品数は約3500アイテムで通常のコンビニエンスストアより豊富な品ぞろえを持っており、100円をメインに分かりやすいシンプルプライスを採用している。客層は、主婦、50代以上の高齢者、学生などを想定。これまでコンビニエンスストアをあまり利用してこなかった層を積極的に取り込んでいく。また、従来コンビニエンスストアには適さなかった立地にも積極的に出店していく。
これまで成長を続けてきたコンビニエンスストアは近年、店舗数や売上高の伸びが緩やかになってきており、踊り場を迎えている。しかし、中高年層や主婦層、20代・30代の女性層といった消費層を取りこぼしており、これら消費ニーズに合わせた店舗業態を展開していけば、コンビニエンスストアは高い成長力を再び取り戻すことができると同社は考察。また、3店舗業態体制はインフラやノウハウの相互利用、仕入れの最適化などのメリットも持っており、異なる業態の店舗どうしで機能やサービスを相互補完できる利点もある。これらメリットを享受しつつ、ローソンは新たな成長基盤を確立する。
これまで定価販売が基本とされてきたCVSチェーンにおいて、価格競争を意識したチェーン展開は、主要とする顧客層を差別化することで、既存店舗出店エリアの中でも新規出店が可能となり、グループとしての成長余地が残される。画一的で便利を追求した既存CVSのチェーンオペレーションから、「便利さ」以外の価値を追求した新たなコンビニエンス業態誕生の過程にあるのかもしれない。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 15:12| 流通