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2005年06月07日

【流通】NECなど3社、インドに高度なソフトウェア開発会社を設立

――知的価値のグローバル流通――

日本電気(以下NEC)およびNECシステムテクノロジーは、インドのITサービスプロバイダーの大手企業であるHCL Technologies Limited(HCLT)と高度なソフトウェアの開発を行う合弁会社を設立することで合意した。出資比率はNECおよびNECシステムテクノロジーが51%、HCLTが49%、出資額の合計は約5百万米ドル。
今回の合弁会社は今年10月の事業開始を目指しており、デリー市郊外のノイダ市にあるソフトウェアテクノロジーパークに本社を設置する予定。設立当初の人員は約70名で、3年後には280名規模に増員する計画。新合弁会社はNECグループがインドで初めて設立する開発事業拠点で、当面はNECおよびNECグループ会社向けに、セキュリティ分野や組込みソフト分野などのソフトウェア開発、ネットワーク関連のソフトウェア開発、ハードウェア開発設計などのほか、ソフトウェア領域における研究開発などを提供していく予定。将来的にはグローバルに通用する自社製品の開発も行う予定。
昨今、IT関連の製品・サービスはソフトウェアによる差別化の比重が高まっているほか、ソフトウェア開発業務においても、その中心が従来のコンピュータ関連のソフトウェア開発からモバイルや組込みソフトなどITとネットワークの統合領域におけるソフトウェア開発にシフトしてきており、この新しい技術領域の高度なソフトウェア開発を担う技術リソースが大量に必要となっている。今回の合弁会社の設立により、NECおよびNECシステムテクノロジーは、インド以外では調達することが困難な技術領域のソフトウェア開発技術者を安定的に確保可能となり、NECグループのソフトウェア製品開発の強化、拡大や、日系企業のグローバル展開に対するソフト開発支援などソフト・サービス事業のグローバル化を加速させることができると考えられる。一方、HCLTは、合弁会社の事業を通じてNECグループ向けソフトウェア開発事業の拡大が見込める。
従来、グローバルなモノの流通を構成する場合の生産地は、その根源を気候や資源、作物あるいはコストなど、その土地で得られるハード的な価値を元とする生産体制構築などがメインであった。しかしながら、ソフトウェアを中心としたIT業界では、今後は高い「知」の創造力を源泉とする生産体制の構築と、ネットワーク型の新たな流通体系が構築されてくると考えられる。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 14:49| 流通