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2005年08月30日

【知識】キヤノン、NEC傘下の2社を子会社化

キヤノンと日本電気(以下NEC)は、キヤノンがNECの子会社であるNECマシナリーの株式を公開買付けにより取得すること、およびNECから同社が全株式を保有するアネルバの株式全てを取得することに基本合意した。今回の株式取得が実現した場合、NECマシナリーおよびアネルバはキヤノンの連結子会社となる。
NECマシナリーとアネルバの両社は、親会社が異動しても今後ともNECグループ向け半導体製造装置等の開発・供給・保守を継続、強化し、NEC「ものづくり」の強化を引き続き支援していく。
キヤノンは、次の10年を見据えて「グローバル優良企業グループ構想」を更に進化させ、健全なる成長を果たすためには、次世代に向けた事業の創出と新しい次元のコストダウンが必要と考えている。このためには、NECマシナリーとアネルバの保有する技術が有効であると判断し、両社の株式を取得することを決定した。
キヤノンは、NECマシナリーが自動化機器の設計製作について高い技術を保有していることから、キヤノンの生産工程の自動化をはじめとする生産革新活動の更なる進展に大きく寄与し、また、アネルバは高真空技術をベースとした薄膜形成技術を保有していて、キヤノンの新規事業である”※SED”などの製品差別化に欠かせない製造装置の内製化に大きく貢献するものと考える。
NECマシナリーとアネルバの両社は、それぞれ半導体製造装置などの事業展開を行っているが、当面は両社とも現状の体制を維持しつつ事業の強化を進めるとともに、キヤノンの事業とのシナジーを追求していく予定。
大手メーカーにとって生産工程のカイゼンや新しい技術開発を行うためには、社内組織の再編成など社内リソースの活用ではなく、優良なノウハウを持った企業を傘下とする選択がされた。同社の決断は中長期的な視点での目標達成へ向けたロジスティクス戦略に基づくものと考えられる。

※ Surface−conduction Electron−emitter Display(表面伝導型電子放出素子ディスプレイ)の略称。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 11:47| 知識