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2005年10月13日

【知識】日立、指静脈認証システム事業で北米に専門組織を新設

日立製作所は、セキュリティ事業の中心的な役割を担う指静脈認証システム事業について、本格的にグローバル展開することを決定した。
第一弾の取り組みとして、本年8月に情報・通信グループ IDソリューション事業部内に統括組織である「指静脈グローバルビジネス推進センタ」を設置し、11月1日には北米、欧州、アジア、中国地域それぞれの現地法人内に専門組織として「指静脈認証事業推進センタ」(仮称)を新設する。今後、日本を含めた4地域の社会状況や顧客のニーズに対応し、最適な認証装置を活用した指静脈認証システムを提供していく。
現在、世界中がネットワークで接続された社会における、サイバーテロや個人情報漏洩といった犯罪や事故による被害は、瞬時に世界中へと拡大するリスクが高まっている。さらに、窃盗や強盗など、安全な社会を揺るがす事件が増加しており、より高度なセキュリティシステムへのニーズが高まっている。ATMやキャッシュカード、クレジットカードを使用した金融取引など、その他さまざまな領域で、なりすましを防止するための本人認証に対するニーズは急速に高まっており、それに応える手段として生体認証システムが注目され、実際の導入も進んでいる。
指静脈認証システム事業については、これまで日本市場を中心に販売を進めるとともに、シンガポールなど東南アジア市場において実績を積み重ねてきたが、海外展開を本格的に進めるため、今年8月1日付けで統括組織である「指静脈グローバルビジネス推進センタ」を設置し、研究開発戦略、グローバルマーケティング戦略、グループ製品戦略を統括・推進する体制を確立した。さらに今回、海外事業をより強化するため、本年11月1日付けで北米(日立アメリカ社)、欧州(日立ヨーロッパ社)、アジア(日立アジア社)、中国(日立(中国)社)の各地域統括会社内に「指静脈認証事業推進センタ」(仮称)を新設する。各センタは、現地の製造会社、システム構築会社、販売会社などと連携し、公共機関、一般企業向けの入退管理システムやPCログイン装置、金融機関向けの認証システムなどを販売する。これにより、2006年度から2008年度までの3年間で国内外合わせて売上高1,000億円を目指す。
ネットワーク社会に入り、利便性が高まると同時に個人情報漏洩による新たなリスクが発生している。指静脈認証システムは、今後様々なシーンで利用が拡大することが考えられ、クレジットカード決済など、日本国内だけでなくグローバルな活用が期待される。今回の組織変更は、同技術の将来性を見込んだ同社のグローバルなロジスティクス戦略に基づくものと言える。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 11:46| 知識