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2005年11月01日

【知識】JDC信託、東京三菱銀行と「開発型のファイナンス・スキーム」を組成

ジャパン・デジタル・コンテンツ信託(以下JDC信託)は、コンテンツを対象とした「開発型ファイナンス・スキーム」を組成、第1弾として劇場用実写映画「蟲師(むしし)」に新スキームを適用する。貸出は東京三菱銀行が行う。
「開発型ファイナンス・スキーム」の特色は、制作会社を対象に、作品完成後の著作権信託による資金調達を前提とし、開発段階で貸出を提供する点。今回のスキームでは、まず東京三菱銀行からの貸出を用いて、小椋事務所が劇場用実写映画「蟲師」の製作を行う。次に、映画完成時に、小椋事務所は製作委員会における自社の著作権持分をJDC信託に信託設定し、信託受益権の交付を受ける。交付された信託受益権の一部を信託ファンド(「シネマ信託(TM)〜蟲師〜」)に対して売却する等により、約2億6千万円の資金を調達する。なお、設定した信託受益権は貸出の担保に設定され、信託受益権の売却により調達した資金は、貸出の返済にあてられる。 
JDC信託では、著作権信託を用いたファイナンス・スキームは、作品が完成しないと導入できないため、開発段階からのファイナンス・スキームに対するニーズは極めて高いと判断し、東京三菱銀行の貸出を利用した開発型ファイナンス・スキームを組成した。
映画コンテンツの製作には、多大な費用が必要とされるが、最も必要とされるタイミングによる資金調達が困難であった。今回のファイナンス・スキームのように、資金調達方法が多様化することで、コンテンツ流通における資金面での選択肢が増えることにより、映画コンテンツ制作時に最適手段を選択するロジスティクス的な思考が求められてきそうだ。

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投稿者:gotsuat 11:23| 知識