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2006年04月06日

【知識】凸版印刷、収蔵品管理ASPサービスを開始

凸版印刷は、博物館・美術館の収蔵品情報を管理するASPサービス「MuseScope(ミューズスコープ)」の販売を開始した。
「MuseScope」は、収蔵品情報の管理、収蔵品の貸借管理など、博物館・美術館の情報管理業務を効率的かつ効果的にバックアップするサービス。
博物館や美術館が保有する膨大な収蔵品の管理業務は、各館ごとにノウハウがあり、その方法は多様である。そのため、専用システムを構築するには、多額の初期投資やそのシステムを運用する専門知識を有した職員が必要であり、財政面・人材面からみて博物館・美術館にとっては大きな課題の一つとなっている。一方で、国や地方公共団体による文化財情報の公開に向けた取組みなど、広く一般に向け情報発信する気運が高まりつつある。このような現状を踏まえ、特殊な専門知識を必要とせず、簡易で効率的かつ効果的な収蔵品情報管理の仕組みをASPサービスとして実現した。
サービスの特長として、ASP方式による管理システムならびに年間定額制による利用形態のため、初期投資・導入後の保守費が不要で、短期間での導入が可能としている。また、専門知識を必要としないシステムのため、専任のシステム管理者が不要で、低コスト・管理負荷を軽減する。また収蔵品情報の各種データ管理は、凸版印刷が運用するインターネット・データセンターサービス「TOPICA(トピカ)」※1を利用。堅牢で信頼性の高いセキュリティを確保。さらに、東京国立博物館を中心としたプロジェクトによって策定された「ミュージアム資料情報構造化モデル」※2をベースに、収蔵品管理項目を拡張利用。標準的な管理項目の基盤として、博物館・美術館相互の情報共有の可能性も視野に入れたサービスとなっている。
各美術館単体で行ってきた収蔵品管理と異なり、ITを活用した業務フローの再構築及び情報共有化により、管理コストの最適化が期待される。美術館運営や展覧会開催など、学術活動分野においても、ロジスティクス的な視点に立った運営が求められてくる。

※1 TOPICA 
企業のインターネットサーバ構築や、運用を受託するアウトソーシングビジネスとして1996年10月からサービスを開始。2001年12月には、ISMS認証を取得するなど、セキュリティマネジメントにも積極的に取り組んでいる。
※2 ミュージアム資料情報構造化モデル
東京国立博物館を中心とした博物館情報処理に関する調査研究プロジェクトチームが、全国レベルで提案・推進する、収蔵品を管理する際の記述項目・方式のモデル。効果的な情報処理・情報共有を可能とし、博物館・美術館を業務支援することを主な目的としている。凸版印刷もプロジェクト立上げ時から、モデル策定メンバーとして参画。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 13:40| 知識