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2006年04月14日

【知識】富士写真フイルムR&Dの中核基地を開設

富士写真フイルムは、富士フイルムグループのR&Dの中核基地として建設を進めてきた新研究拠点「富士フイルム先進研究所」を4月12日にオープンした。
富士フイルムは、独自の先進技術を開発し、一歩先の顧客価値を実現する製品・サービスを提供することで、文化・科学技術・産業・健康・環境保護などの側面から社会に貢献していくことを目指す。「富士フイルム先進研究所」は、全社横断的な先端基礎研究、新規事業/新製品の基盤となるコア技術の開発により、新たな顧客価値の創出を強力に推進していくエンジンの役割を担う。
新研究所には、同社が銀塩フィルムやデジタルミニラボなどの開発・製造で培ってきた有機合成・薄膜多層塗布・精密微細加工・レンズ設計・レーザー・画像処理など、ケミストリー、フィジックスからオプティックス、エレクトロニクス、ソフトウェアにまでわたる幅広い領域の技術者を一堂に結集させる。そして、「融知・創新・創価」をコンセプトに、異分野の知識や手法をダイナミックに融合(フュージョン)させ、またグループ会社の富士ゼロックス・フジノンとの連携強化、他社とのアライアンス・産学連携の積極推進により、独創的なイノベーション技術を創出していく。
新研究所は、性格の異なる3つの研究所と複数のプロジェクトチームから構成される。独創的な将来技術を追求する「先端コア技術研究所」と同社の中核技術である有機材料研究を深耕する「有機合成化学研究所」という2つのコーポレートラボが、プロジェクトを通じて相互技術を融合させ、高機能性材料/デバイス/システムなどを中心に、圧倒的な差別化技術の確立を図る。また、今後の重点分野である医療事業の強化・拡大のため、「ライフサイエンス研究所」を新研究所内に配置し、研究の早い段階から市場ニーズと2つのコーポレートラボが有する先端的な材料/デバイスの技術シーズとの融合を図ることで、独創的な高付加価値製品の開発を進める。
新研究所には、異分野の技術者が組織の壁を越えて連携する仕切りのない「大居室」や社外パートナーと迅速に共同実験が開始できる「オープンラボ」など、「融知・創新・創価」のコンセプトを具現化するために、研究者自らが創案した設計思想が各所に盛り込まれており、顧客価値の観点から市場創造を目指した独自の研究集団を目指す。
将来的な顧客価値創造を目的とした横断的な研究所設立にあたり、各組織が所有するノウハウを融合させるためのプロジェクト管理体制や、施設内のハードが設計されている。技術、ノウハウなどの知的価値を最大化し、競争優位性を高めるためのロジスティクス戦略が伺える。

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 13:33| 知識