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2018年06月12日

【流 通】AI技術を活用した食品工場レイアウト自動作製エンジニアリングツール


日立プラントサービスは、AI技術を活用し、食品工場内のレイアウトを自動で作製するエンジニアリングツールを開発、実案件への適用を開始した。このツールを活用することにより、工場建設の計画段階で、ニーズや運用に合った複数のレイアウトを定量的かつ短期間で提案できることから、食品メーカーはレイアウトの評価・選定のスピードアップを図ることができる。

日立プラントサービスでは、このツールを市場拡大が続いている惣菜・弁当などの中食をはじめとした食品工場向けプラントエンジニアリングに導入することにより、従来に比べて工場レイアウト設計業務を約 50%効率化(※1)し、工場建設の上流コンサルティングを強化する。

近年、食の安心・安全を求める消費者ニーズの高まりを受けて、食品工場においては、原料入荷から加工、包装、保管、製品出荷に至る全てのプロセスにおいて、人の入退出やモノの流れも含めて一貫した衛生・品質管理の強化が求められている。また同時に、生産性の向上や働きやすい工場であることもますます重要となっている。

食品工場のレイアウト計画は、工場建設の初期段階において、こうした複数の要素を考慮しながら、敷地に合わせた建屋形状や階数の決定、盛付け・包装室では高い清浄度を確保するといったHACCP(※2)の考え方に基づく工程ごとの部屋の区画などを踏まえて、部屋の配置や組み合わせを決定する。同時に、作業動線や移送距離が伸びることによる生産性の低下や、動線が交差することによる品質管理上のリスクなど、さまざまな条件に対する配慮も必要である。

このため、従来はレイアウトの策定に多大な時間がかかり、計画したレイアウトが最適かどうかの定量的な評価も難しく、また、計画には熟練した設計者の経験・ノウハウが必要であり、熟練技術者の不足なども課題となっていた。

そこで日立プラントサービスでは、AI 技術を用いレイアウトを自動で作製するエンジニアリングツールを開発した。開発においては、熟練技術者の設計ノウハウをレイアウトの要素ごとに項目を分けて標準化し、評価点として数値化するとともに、ツールの核となる部屋の組み合わせを最適化するアルゴリズムには、AI の一つとされる遺伝的アルゴリズム(※3)を改良して利用した。

このツールを適用することにより、「原料・製品動線」、「適切な衛生区画」、「作業員動線」、「副資材、廃棄物の動線」など複数の条件を最適化する組み合わせを高速でパターン解析することができる。さらに、各条件の優先順位を考慮したレイアウトを複数作製し、それぞれの評価点を表示できることから、定量的な評価・選定を可能とした。条件さえ入力すれば、レイアウトの検討は自動で行うため、日立プラントサービスにおいては、複数のレイアウト案を並行して検討する場合、工場レイアウト設計業務を約 50%効率化できると想定している。

また、食品メーカーは、工場建設の計画段階で、ニーズや運用に合った複数のレイアウトを定量的かつスピーディーに評価・選定できる。玄関や階段の位置など周辺施設や既存設備も含めて適用できることから、来客動線などのこだわりや従業員の入退出管理なども考慮できるとともに、既設工場の改修にも適用が可能。さらに敷地の形状ごとにレイアウトを作製することが容易なため、土地の選定にも活用できる。

日立プラントサービスは、今回開発した工場レイアウト自動作製エンジニアリングツールを年間 10件以上の食品工場のエンジニアリング案件に適用予定であり、上流コンサルティングのさらなる強化を図る。
 
※1 同社比。計画条件の整理から、提案資料作成完了までの総作業時間を想定。

※2 HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)
重要な工程を管理し食品の安全性を確保する衛生管理手法。

※3 遺伝的アルゴリズム:
数理的な解析が難しい問題に対して、アルゴリズムそのものを遺伝子のように組み換え、適応したものだけを「進化」させることで、準最適解を導き出す方法

※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です

投稿者:gotsuat 09:40| 流通